《MUMEI》

「おーいみかん! 速ぇよお前‥ちょっ‥待てって!」





こーちゃんが、追いかけて来る。





私は、夢中になって走っていた。





風を切って、前に向かって。





「‥?」





こーちゃんが立ち止まっている。





ううん──違う。





──写真を撮っているんだ。





私の写真を。





「こーちゃーん?」

「おっ‥悪ぃ‥!」





慌てて、追いかけて来る。





そんな事を、繰り返していた。





何だか、凄く楽しかった。

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