《MUMEI》

紗緒は、ああ言ってたけど。


相手は先生だし‥。


「ぁーぁ‥」


何で私、こんなに悩んでるんでしょうか‥。


私は生徒で。


だから、先生の事を好きになっちゃ駄目なんじゃないか、って。


そんな気がしてくる。


「──悩めるお年頃ってやつか?」


「きゃあ!!」


「何かお前‥俺が声かける度にいっつもビビってないか‥?」


「いえっ‥そんな事ないです‥。ていうか先生‥何でここに‥? 」


まさか、屋上に先生が来るなんて思わなくて。


「──ここまだ来てなかったからな──」


「あの‥」


無意識に、口が動いてた。


「先生は──」


「ん?」


「先生は何で──その‥‥‥先生になったんですか‥?」


「ぅおい‥いきなりガチな質問きたなぁ」


「ぁ‥すいません‥」


「っと──何かさ、学校好きなんだよな──俺」


「学校が‥好き?」


「それに何か──お前みたいなの見てるとさ、いいなぁって」

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