《MUMEI》

こーちゃんとみんなの楽しいお喋りは、どんどん盛り上がっていく。




「へぇ──やるじゃん、コウ」





声がして、振り向く。





「叔母さん──」

「あれが元不良だなんて、ね」

「こーちゃんは──捜していたんだ」

「‥?」

「やりたい事を──捜していた‥。でも、見つからなくて‥迷って、つまづいて‥。だけど今はこうやって──」

「そうだね。ほんと──いい兄ちゃん持ったよね」

「うん。こーちゃんは自慢のお兄ちゃんだよ──」





だから──ずっと笑って輝いていて。





それが、今の私の──一番の願い。

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