《MUMEI》
2
空腹だと、眠れない。
このこと身を持って経験しながら、私はベッドの上で何度目かの寝返りをうった。
寝返りするのも気を遣う。
静かに。息をひそめて。
お金持ちのお嬢様学校なら、当然、寮だって一人部屋だと思ってたのに。
まあ、二段ベッドでないだけマシかも。
ベッドは左右の壁際にひとつずつ、窓のほうに頭を向けて置かれている。
「玲子さん」
お腹がすきすぎて幻聴が聴こえたのかと思った。
「玲子さん、起きてらっしゃるでしょう。ちょっとよろしいかしら」
「あ、はい」
私は慌ててベッドから身を起こした。
同室の吉岡先輩が微笑んでいた。
「あの、なにか……」
なにかお気にさわりましたか。寝返りがうるさかったですか。
「実家から届いたお土産のお菓子があるの。一緒に頂きましょう」
「えっ、こんな時間にですか」
驚きながらも私のお腹はお菓子という単語に反応してぎゅるるると鳴った。
吉岡先輩はくすりと笑ってお菓子の箱を開いた。
「私も小腹がすいたの」

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