《MUMEI》

「──ここじゃ使えないし──取りあえず日向持ってて」

「ぁぁ‥」





そうするか。





那加がそう言うなら。





「でっ、何する?」





急に、那加の声が明るくなった。





「そうだ──話してくれるって言ったわよね?」

「ぁ、ハイ‥」





そうだったな。





「じゃっ、話して♪」





聞く気満々に言われて、俺は那加の隣りに座った。





──そして、長い思い出話が始まった。





那加は、懐かしそうに聞き入っていた──。

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