《MUMEI》

‥私は泣き虫だ。





‥寂しいと‥すぐに泣いて‥。





でもその度に‥君が慰めてくれた。





頭を撫でて‥笑いかけて。





君がいてくれると──寂しさがなくなった。





心があったかくなって──安心した。





笑顔になれた。





君がいてくれて初めて、私は笑顔になれるんだ。





君がいないと‥私は笑えない。





‥君がいないと駄目なんだ。





君は‥私の光なんだ。





‥なのに‥。





何で自分から独りになったりしたんだろう‥。





「‥晃‥‥‥‥君‥」





──来て欲しい。




──私を照らして欲しい。





「晃君っ‥‥‥晃君‥!」





‥掠れ声しか出ない。





すぐ‥雨の音にかき消されてしまう。





「‥‥‥っ‥晃君‥」





来て‥くれないのかな‥。





「──風邪引くぞー?」

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