《MUMEI》

「滋田さん?」


「ぅわっ‥何だよ!?」


「どうしたの?」


「どうもしてないっ」


つーか近いッ。


「?」


「何でもないって言ってんじゃんっ」


「‥ごめん‥」


「‥別にそんなにヘコむ事なくない‥?」


「‥‥‥」


「林‥?」


ヘコみ過ぎだって。


言い忘れてたけど、コイツは林 優太。


アタシは滋田 真琴。


アタシらはどういう関係かっていうと──まぁ、ただのクラスメイトな訳だけど。


何かと良くつるむ。


何でか知んないけどね。


「ぁ、そうだ滋田さん──」


「‥!?」


「これ──ありがと。貸してくれて」


「‥ん、ぁぁ‥」


そーいえば、ノート‥コイツに貸してたんだった。


コイツ、何か風邪引きやすいみたいで結構休む。


だから、時々ノート貸してやってんだよね。

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