《MUMEI》
学校にて-女子目線-
「おっはよ〜ん」
ユウキが教室に入ってくる

「あ!ユウキくん来たよ!かぁっこいいよねぇ…」
思春期の女子にはユウキは王子様にしか写らないんだろう。
この女の子はカナと言う

「ヤバいよね〜かっこよすぎ〜 仲良くなりたぁい」
一緒に居て話すのはマイ

「あたし無理〜」

「なんで〜?」
即座に聞き返す

「ユウキくんの前じゃ緊張してうまく話せないもん」
カナが照れ臭そうに言った。

「あー確かに緊張するよねぇ」
マイは納得したようだ。

「近寄るのだって緊張するしー」
ユウキがこっちをみてにこっと笑った

「かぁっこいーー」

「話かけてきなよ〜」
マイがからかうように言う

「うーん 話…かけてみよっかなぁ」
すこし考えてカナが立ち上がろうとした

「まじで!?がんばって!」
応援するマイ

すると後ろから
『あいつはやめた方がいい』
と男の声がした

カナが振り返ると
それはクラスで1番浮いている
マサキだった
前髪が目を覆うほど長く、いつも無表情。無口で、俗にいうオタクだと噂されている。いつも髪が邪魔で顔が見えない。隠しているのかもしれないけど詳しくは誰もしらない。誰も近づけさせないオーラみたいなのを出してるんだと思う。とにかく クラスで孤立してる。

「え…なんで…?」
カナはいきなり話かけられて困りながらも聞いた

『詳しく言わないけど、とにかくやめた方がいい。』
マサキは相変わらず無表情で答える

「なんでアンタなんかに言われなきゃならないの?オタクのくせに」
マイが横から入る。オタクは関係ないけど。

『オタク?まぁいい 忠告はした。あとは勝手にしろ』
マサキは引き下がった

「引っ込んでろっての」
マイが顎をしゃくらせる

「なんだったんだろ」

「さぁ?ユウキくんへのひがみじゃない?ほっとこ」
マイが嫌みたらしく言う。

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