《MUMEI》
第一章
【第一章】
□出会い□



あの頃の俺は、いつも不機嫌というか近寄るなオーラを放っていた。
俺には、教師達も随分と手を焼いたそうだ。

何故俺ががそうなったか。と聞かれて答えるには、話は長くなるけど。

まぁ、少々早めの思春期というようなところだ。

そんな俺の前に、あいつが転校してきたのは俺が小学校五年生のとき。

一学期が始まって二週間後、という珍しい時期だった。

珍しい時期の転校生、というだけでも目立つのに、あいつは、厳密にはあいつらはカナリ特殊だった。



「なぁなぁ、今日来る転校生ってどんなヤツかな。」

昨日担任の小笠原(おがさわら)が、今日転校生が来る。と言ってからは、俺のいる四組はひたすらこの話題で持ちきりだった。

ただ、俺はそんなことに興味はなかったけど。

それなのに、俺の席の隣にその転校生は来るらしい。
その証拠に、俺の席の隣に、新しい席が一つ増えていた。

俺と、新しい席は窓際の列の最交尾の席。

俺の席は窓側で、新しい席は廊下側だった。

俺は、チラリと隣の席に目をやって、直ぐに窓の外に目をやった。

ぼーっと外を眺めていると予鈴がなった。

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