《MUMEI》

「あっ! 滋田さんそれ可愛い!」


「どこで買ったの?」


「ぇ、これ‥?」


「うん!」


「っと‥これは‥」


アイツからもらった‥なんて言えないし‥。


「滋田さん?」


よし‥ここは取りあえず‥


「ぁ‥ゴメンッ、アタシさ、ちょっと用事あんだよね。じゃっ!」


‥逃げる。


うん、それしかない。


だって答えらんないし。


「──ふぅっ‥」


撒いたかな。


「‥あれっ」


アイツ‥。


誰と話してんだろ‥?


あの女子は‥‥‥違うクラスのヤツだ。


「──ぁ‥」


‥まさかアイツら‥!?


いやっ、そんなはず‥。


ない‥よな?


「‥!!」


こっち来たし‥!


って何でまたアタシ逃げてんの‥?


別に今は逃げなくても良くない‥?

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