《MUMEI》
どうすれば
「そうね。別にサイテーで構わない。あなただって、自分が助かるなら何だってするでしょ?」
「ああ、そうだな。…でも、俺は仲間を売ったりしない」
「……どーだか」
ミサはそう言うと、持っている銃をユウゴに向けた。

「まあ、いいわ。そんなことどっちでも。あんたは、ここで死ぬんだし」
「死なねえよ」
ユウゴが一歩踏み出そうとすると、ミサは引き金にかけた指に力を入れる。

この距離は不利か。

 ミサはユウゴが僅かでも動いたら、すぐにでも撃つ気でいる。
収めた銃を取り出すこともできそうにない。
となると、頼みはユキナか。

ユウゴはユキナに視線を送った。
ユキナは持っているバッグの中をガチャガチャと探っている。

「無駄だと思うよ」
ユウゴの視線に気付いたミサが面白そうに言った。
「そこに入ってるの、全部ばらしてあるから。知識がないと組み立てられない」
ばらしてある、とは分解してあるという意味だろう。
確かにそれでは、ユキナに使うのは無理だ。
ならば、どうすれば……

「どうすれば、て顔してるわね。どうするの?そっちの子も、少しでも動けば撃つよ」
ユキナの動きが止まった。
同時にユキナと目が合った。

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