《MUMEI》

「‥もらって‥‥‥くれんの‥?」


「うんっ」


「ちゃ‥‥‥ちゃんと食べろよな?」


作んの大変だったんだから。


「ねぇ──何で2つなの?」


「悪い‥?」


「ううん。でも──何でかなぁって」


「林がどっちもとか言ったからじゃん」


だから2種類作ったんだ。


苦めのと甘めのと。


そーするしか思い付かなかったんだもん。


「あれ‥この紙何?」


「ちょっ‥まだ見んなぁッ」


「何で?」


「後にしろっ、後にっ」


「──ゎ、分かった──」


「じゃ‥じゃあなっ」


走って、教室に戻った。


もう‥心臓バクバクだった。

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