《MUMEI》
出会い系
初めて耳にしたのは、カラスの鳴き声。

カラスの鳴き声が真っ先に聞こえてきたそうです。

「はじめまして」


それから、直接会うようになり、同居を今ではしている。 結婚はしないと言う。
「結婚?もう、しないわ、お互い、バツイチだし、子供いないけど、お互いの最期までって、誓いあったの、まわりは口ばかりで逃げられるのでは?って、言われるけど、私たち、文字の会話が出会いでしょ?外見も関係ない出会いでひかれあったから、ただのお見合いや、恋愛結婚とかと、違うの、うまく言えないけどね。紙きれ一枚で籍入れなくても、最期まで、まっとうしてやるって、反感者への意地もあるけどね。私も彼も、子供出来ない身体だし、一度結婚してるから、色んな嫌なしがらみから解放されたいし、でもね、何の補償がないから、二人の絆だけが保・証なのよ。」

彼女は幸せそうだった。 結婚だけが幸せの道ではない。
最近の、事実婚なるものは、普通の結婚よりも、お互いの絆が、案外強いのかもしれない。

彼女は、今日も、出会い系サイトで知り合った、事実婚の旦那さんのもとへ帰っていく。

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