《MUMEI》

このカヅキというヤツは、うちの学校に留まらず、他校でも、美少女と絶賛される、錦(にしき)澪と知り合いらしい。

「………え……?澪!?」

喧嘩はとにかく収まったみたいだ。

けど、それよりもコイツらの関係性は何なのか気になる。一宮も錦を知っているようだし。

無駄に顔が整っていることぐらいしか浮かばない。


そして俺の真横で、その無駄に顔が整っている三人が一宮を囲むように立っている。

「え……!?何で澪がここに?ねぇ和月何で?」

一宮はきょろきょろと、カヅキと錦を見比べている。

「久しぶり。陽和。
びっくりしたのはこっち。二人とも何にも言わず転校して来るから。」

錦は一宮ににっこり笑いかける。

「澪の学校ここだったんだとよ。俺のクラスに澪がいた。」

あからさまに拗ねているような雰囲気のカヅキは、そっぽをむいたまま言った。

「へぇ、そうだったんだ。久しぶりだね。澪、元気だった?」

呆気にとられたままの俺は、未だに動けずにいた。

でも、それは俺だけではなく、ほかの連中もその三人の存在感に圧倒されているようだ。

「そんな事よりも、陽和にはスッゴく良い知らせ何だけど………」


ばんっ───

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