《MUMEI》

いつもじゃないけど、大抵は当たる。





「──これでいいか?」

「うん。ありがと」





良かった──外れなかった。





もし違っていたら、自分で飲まなきゃならないから。





「あれ──結加さん帰ったのか‥?」

「うん。何か急に仕事入ったんだって」

「そうか‥」






すれ違ったのに‥気付かなかったみたいだ。





「日向も飲む?」

「ぁ‥ぃぇ、大丈夫デス」

「何で今敬語なのよ」

「その──‥無意識で‥」

「ふーん‥。まぁいいけど」





そう言ってから5秒も経たない内に、那加はイチゴミルクを飲み干した。

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