《MUMEI》

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ジンの視線の先には


開いた守校長室の扉と



そこから出て来た
見る限り20代であろうか、特殊な形のゴーグルを着けた…若い男。


ゴーグルのせいで瞳は見えない



その男は二人に目もくれず、


弱り切った双頭犬に冷ややかな

まなざしを向けた(様に見えた)


ジンは銀の弓をクルリと回し

ただの黒い円柱に戻してホルスターにねじ込み、


リツはFSLを操作して剣をデータ粒子化、収納した。



「…なにをしているんだペイン」

《グゥ…ゥ…》

ペインは弱々しく唸った。


「役立たずが」

男は表情をつくらずに言った

「レン・ドイス」



「「っ!」」


一瞬の強烈な眩しさに二人が目を閉じ、

開けた瞬間ペインがいた場所には


巨大な屍と焼け焦げがあった。

そしてようやく男が二人に目を移す

「…よく無事だったね」




ジンが頷いた
「ペットに情はうつらないのですか?…守校長」




ゴーグルの男


守校長は口角を上げて、


再び守校長室へ向かった。



「…まあ、入りなさい」

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