《MUMEI》 「ぇ、悪い‥何か言ったか‥?」 「だからぁ──日向も」 「ハイッ」 それからは、何事もなかったようにいつも通りの時間が過ぎていった。 もう暫くは、ケンカはしなくて済みそうだ。 でも── 「どうかした?」 「ぃゃ、何でも」 またしてみたい気もする。 ケンカがしたい、なんて変わっているかも知れないな。 けど──那加とのケンカは、やっぱり楽しいから。 「ひーなーたぁ、と〜け〜ちゃ〜う〜っ」 「分かった分かった──」 「笑ってる場合じゃないってば」 ──そう言う那加も笑っている。 ずっとこのまま笑ってくれたらいいのにな──。 そんな事を、つい思ってしまった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |