《MUMEI》

「ぇ、悪い‥何か言ったか‥?」

「だからぁ──日向も」

「ハイッ」





それからは、何事もなかったようにいつも通りの時間が過ぎていった。





もう暫くは、ケンカはしなくて済みそうだ。





でも──





「どうかした?」

「ぃゃ、何でも」





またしてみたい気もする。





ケンカがしたい、なんて変わっているかも知れないな。





けど──那加とのケンカは、やっぱり楽しいから。





「ひーなーたぁ、と〜け〜ちゃ〜う〜っ」

「分かった分かった──」

「笑ってる場合じゃないってば」





──そう言う那加も笑っている。





ずっとこのまま笑ってくれたらいいのにな──。




そんな事を、つい思ってしまった。

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