《MUMEI》
衝撃発言
そこには、愛犬を連れた弟がいた。

「盾(じゅん)っ!……と桜(さくら)!」

盾は弟の名前で、桜は犬の名前。

「兄ちゃんその人誰?」

盾は、帝を怪訝そうに見ている。

「え………盾君?おっきくなったね。」

帝はと言えば、にっこりと微笑みながらそんな事を言ってる。

「誰?兄ちゃん」

盾は丸っきり帝を無視して俺を睨む。

「そっか、盾は覚えてないか。まだお前ちっさかったもんな。」

俺と盾は四つ年が離れてるから、帝を覚えてなくても当然といえば当然だ。

「如月帝。昔家の近くに住んでただろ?戻って来たんだってよ。アメリカから」

俺が言うと、盾はフーンと興味無さ気な返事をした。

「久しぶり。盾君。これから毎日一緒だし、仲良くしような。」

……は?
毎日……?

今コイツ毎日とか言ったか?

「……は?毎日……?」

どうやら盾も同じところに引っ掛かりを覚えたらしく、眉間に皺を寄せている。

「あれ?盾君も聞いてない?俺、一緒に住まわせて貰うんだ。知らなかったの剣だけじゃなかったんだ。」

なんか色々気になるところが無くも無いけど、スッゴいことサラッと言わなかったか?

一緒に暮らす……?

誰と、誰が……?

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