《MUMEI》

何か猫が擦り寄ってきたみたいな‥





「ぇ!?」





‥本当に擦り寄って来ていた。





「ふふっ、ちゃんと懐かれてるじゃない」

「そう‥なのか‥?」





だと嬉しいな──。





「って‥いたたた!?」





何か引っ掻いてないか!?





「那加っ、助けて‥」

「は〜いはい♪」






那加に引き離してもらって‥何とか助かった。





「はぁ‥」





溜め息をついたら、那加が苦笑した。





「日向が『助けて』とか言うなんてあの時以来じゃない?」

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