《MUMEI》

(はぇぇ…)


その展開の早さに、


平松学園の選手たちは焦りを感じる。



















(いいペースだね。


序盤から飛ばして引き離せれば早い段階で1年生を投入できる。


ディフェンスに関しては後で日高と椎名は説教だけど。)

















「ゆっくりでいいんで確実に決めましょう!!」


ボールは平松学園。


(ゆっくりでいいんで…


まだ序盤とはいえ30分ゲームなんだからゆっくりでいいわけないじゃん。


リスタートをしない言い訳にしか聞こえないね。)


平松学園はセンターから左45へ。


左45から左サイドへとパス。


再び左45へパスが回ったところで、


「ポスト上がった!!」


ポストが上がる。


その間にボールはセンターに回り、


センターからポストへパスが回る。


ポストはそのまま走り右45にボールを渡す。


そして体でブロックを作りディフェンスを押さえにかかる。


(ロングか。)


ユキヒロが押さえられる。


が、


ポストがいない分中はがら空き。


迷うことなく椎名が前へ。


「行け!!」


シュートモーションに入る右45。


シュートを阻止する為、
椎名はジャンプ。


















(あ〜もう完璧。


ボールに触れないにしてもディフェンスがジャンプすればシュートコースが限られる。


そんな状況で村木からロングを決めれる選手なんて…)









バシッ!!









(ほんの一握りだよ。)

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