《MUMEI》

「ふぅ‥」





──路地に着いた。





けど、あの黒猫はいない。





「あれ〜?」





近くを捜し始める那加。





「今日は来てないのかなぁ‥」





不安そうに呟く。





「〜〜〜‥何でよ〜‥」

「だ‥大丈夫だって、もうちょっとしたら来るかも知れないし──」

「でもずっとあたし達より先に来てたじゃない」

「今日はたまたま寝坊とか‥」

「日向じゃないんだから」

「ぅ‥」





言われてしまった‥。





ズバッと言われてしまった‥。

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