《MUMEI》

「そっちじゃないの、こっちだってばぁ」





その声を辿って行くと。





「‥‥‥ぁ」





那加がいた。





「──‥迷子になったかと思った‥」

「何で?」

「いきなりいなくなったから‥」

「そんなに簡単に迷子になんかならないもん」

「スイマセン‥」





今はどっちかというと俺だよな、迷子になりそうだったのは‥。





「で‥どうしたんだ? ──ぅわッ」





親猫か‥!?





「何でビックリしてるの?」

「ぃゃ、だって‥大き‥」

「──ふふっ」

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