《MUMEI》

でも、会える機会はなかなか巡って来ない。




そう思っていたら。





「ぁ‥あのっ‥!」





廊下で、女の子の声がした。





「‥?」





誰だろう‥。





「ゎ‥私っ、一応‥クラスメイトの‥」

「えっと‥‥‥鳥居‥さん‥?」

「はいっ!」





物凄く張り切ったその返事に、思わず苦笑しかけてしまった。





「誰かのお見舞い?」

「ぁ‥えっと‥‥‥お見舞いというか‥、ぁっ」

「?」

「クウの手当て、ありがとうございましたっ」

「クウ‥?」

「ぁ‥黒猫です、子猫の‥」

「‥‥‥ぇ」

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