《MUMEI》
無知と勇気
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「…あ…?」

気がつくとジンとリツは直立したまま

白にいた



白、である。




そこは

床、天井、壁の区別もほとんど付かないくらい、


全てが純白だった





「ここは…」

リツが辺りを見渡す


「フルアのところ、だろ。…っとにあのジジイは…」

ジンがガラに無く眉間に皺を寄せ、
握っていたはずの銀の羽が消えているのを見て


「どうも、いけすかねぇ」

溜め息を吐いた



リツが怪訝そうに聞く

「守校長…兄ちゃんだったじゃねえか。何処がジジイなんだ?」


ジンが顔を上げる

「守校長の任務は守校の環境、
守護能力育成プランの総括
及び、フルアとのコンタクト…
最後のものは守校長の身元が公になってしまえば…」

ジンは不意にホルスターから黒円柱を取り出し、
すぐに銀弓に変化させた。

そして右手を流れるように動かして紫矢を出し、それらを構えてリツに向ける

「っ!なんだよ!!」

全てが一〜二秒程の間に行われた


リツが慌てて両手を上げて

ジンはまたもガラに無く笑って

矢を空中に溶かし、弓をしまった。

「…フルアの身も危なくなる、だろ?」

「…あ、ああ。…驚いた」

「わりいわりぃ。」

「じゃ…守校長の年齢っていう情報が流れたら…」

ジンが頷いて

「国民総監視表を調べるだけでも、だいぶ身元が絞られてしまう。だから歴代の守校長たちは」

辺りを見回し、
周囲のオーラに変化が無いのを確認して、続けた。


「その座を受け継ぐとともに、表面上の老いをそれ以上進めないための術を…かけるんだ。」


「じゃあ…あのゴーグルは何なんだ?」



「優秀なヤツは、瞳を見れば人の歳はもちろん、その人間が生きて来た軌跡も読み取ることが出来ると言われてる。
それを恐れてのことだろう。」



リツは頭を掻く
「なるほど…ところで…俺たちは今、どうすればいいんだろうな?」




ジンは腕を組んだ

「待つしか、ないな…」

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