《MUMEI》
空色
ユキヒロは、


ヤマトからこの大会で得点王になるよう言われたことをあえて口にしなかった。


それを口にすれば、


他の選手たちが自分にパスを集めるだろうと思ったからだ。


無謀とも思えるヤマトの出した課題を、


ユキヒロは本気で叶えようとしていた。



















ヒュッ…








風が…









吹き抜ける…









「ビーッ!!」









ここは、








市内リーグBブロック会場。


楊子館高校。


優勝候補と言われている海南高校が今、









「…っし。」









第一試合を勝利で飾っていた。


















「絶好調すね千葉さん。」


「古賀…





…お前もな。」


「いやいや、
俺なんてまだまだっすよ。」


「そ〜だよッ!!」


「?」


「お前らなんてまだまだなんだよッ!!」


「そりゃキツいっすよ未來さん…
俺一応未來さんよりハンド暦長いんすよ?」


「関係ね〜よ。


お前2年だろ。


俺の方が年上なんだから言うこと聞け。」


「なんすか…?」


「髪型直せッ!!」


「いや!!
未來さんには言われたくないっす!!」


「俺が目立たないからだよ
!!」

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