《MUMEI》

Aブロック会場。


城南高校。


赤高の試合後、


連戦となる平松学園と、


第一試合で城南高校を破った北農高校の試合が始まっていた。










「意外だな。」


「え?」


赤高の選手たちが試合に注目する中、


スコアを確認するクロに、


安本が話し掛けていた。


「何が意外なんですか?」


「いや…


いっつもキミは不思議な奴だと思ってたけど…


なんというか…


信念みたいな物がある奴だと思ってた。」


「信念?


僕に…


信念ねぇ…」


「なんというか…
いつも自分を信頼しているというか…」


「あ〜、


そりゃまぁ自分こと好きですからね。


信頼もしてますよ。」


「…じゃあ、
なんでユキヒロのことを許したんだ?」


「許した?


許してはいないす。


まだね。


作戦無視を簡単に許すほど甘くはないすよ。」


「?
よくわかんないな…」


「ん〜…


自分もよくわかんないんすけど…


ただ1つ言えることは、


僕にも気持ちがわかるってことです。


経験もあるし。」


「経験?」








クロは、


市民体決勝、


聖龍クラブとの試合で、


自分も作戦を無視して試合に出ていたことを思い出していた…








(作戦無視はムカつくけど…


エースとしてはいい傾向だね…


ちょっと遅いくらいだ。)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫