《MUMEI》

ボールは赤高。


沖がセンターラインから椎名に回し、


「1本行きましょう!!」


時計が動き出す。


















「赤高…
春見た時よりかなりレベルアップしてるな。」


「だな。
短期間にどんな練習詰めばこんだけ上手くなんだよ…」


「俺たち勝てる?」


「…自信ね〜な。」


「チームバランスいいもん。


両サイドのスピード、


両45の得点力。


センターは若干シュート数が少ない気ぃするけど、


動きがいい。


ポストはよくわからん。」


「ほんであのキーパー…」


「上手いよな〜、
赤高のディフェンスが成り立ってんのはあいつのおかげだ。」


「ロングは厳しいかもな…


ずらしから中に入るか、


ポストに落とすか…」


「う〜ん…
口で言うのは簡単ですけどロング無しで勝とうってのはかなり難題ですよ?」


「ロングが全部止められるってわけでもないだろ。」


バシッ!!


「あちゃッ…!!
また止めたよ…」


「そして速攻。





はいドーン!!」


「ダメだ…
城南じゃ参考になんね〜よ。」


「…全く。」

















ギャラリーから試合を観戦する北農高校。


彼らは平松学園や城南高校と比べるとかなりレベルの高いチームである。


しかし、


ある程度実力の高い選手たちだからこそ、


赤高の力量を理解していた。


試合開始から10分。


スコアは12対1まで離れていた。

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