《MUMEI》

那加は‥かなりビックリしているみたいだ。





今まで、友達らしい友達なんて1人だっていなかったんだ。





ましてや、相手の方から迫られるなんて事は有り得なかった。





だから、少し戸惑っているらしい。





『と‥‥‥友達になって下さいっ』





たぶん、鳥居さんも初めてああ言ったんじゃないかと思う。





たぶん、そうだ。





「──は‥榛野君」

「?」

「すいません、さっき‥」

「さっき?」

「代弁してくれようと──」

「いやっ、全然気にしなくていいから」


分かっているつもりだ。

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