《MUMEI》
疼く
-




そんな、ある日




僕…いや、俺が目を覚ますと


「……慎!!」


慎が手首から血を流して


真っ青な顔をして、倒れていた







『貴方の応急処置が無ければ、彼は間に合いませんでした』


医者が言った









二日後に目を覚ました慎は、優しい慎だった。

俺はずっと、手を握っていた

慎は目を覚ましてすぐ涙を流した


「隼…ごめんね…俺…」

「俺は、大丈夫。」

短く会話して

唇を重ねた。





帰ろう?慎。








それから、しばらくは優しい慎のままだった





交わる痛みも、

甘く疼くものだった

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