《MUMEI》

『ふぇ‥‥‥‥ひっく‥』





『──どーしたチビ──こんなとこにいたら風邪引くぞ?』





『ぇ‥‥‥』





ソイツが顔上げた瞬間‥時間が止まった。





──あんな気分は初めてだった。





あの時は、何であんな気持ちになったのか分かんねかった。





でも、やっと分かった。





あれが──俺の初恋だったんだ。





ずっと気付かねーでいたけど‥アイツに好きって言われた時──めちゃめちゃ嬉しかった。





「ん‥」





蜜花‥。





「───────」





よく寝てんな──。





「よしっ‥」





棚から持ち出した、デメ。





蜜花の寝顔に、ピントを合わせる。





「頂き、っと──」





またいーの撮れたな──。





「蜜花──」





俺──お前の事守るからな。





だからさ、笑っててくれよな。





──約束だぜ?





なっ、蜜花──。

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