《MUMEI》
楽園
あなたが描いた(楽園)の別の姿を
見つけて、見せられ、絶望していた

壊されるかもしれないその場所を
壊されてしまうならいっそ壊してしまおうと
小さなアナタの声が聞こえる
壊した後に壊れてしまおうとも呟いて
私達は、全てを壊してしまった

何もかもが無くなっていくその挟間で
抱いてくるあなたの腕を振り払った
流れ落ちる涙をこらえる事もせずに
私はあなたに嘘をつく

此処は、私にとって(楽園)だったと

私の頬に振る雫
何かを悲しみ嘆く貴方を
私は軽蔑するばかりで
ウソツキ・偽善者・卑怯者
罵る声しか出てこない

あなたと共に果てる瞬間
私は、始めて
本当の楽園を見た気がして
そのキレイさに涙が溢れた

キレイで汚くて、儚くて近すぎて

もう、どうでもよくなった……

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