《MUMEI》

この関係が当たり前になってから、俺は1度だって‥王子になりたいなんて思わなかったんだ。





もし、召使じゃないなら。





那加を守る騎士になりたい──そう思っていた。





なのに‥何で俺は自分が王子になりたいなんて思っているんだろうか。





おかしいよな‥?





絶対おかしい。





「ッ!?」

「どうしたのよ」

「ど‥どうもしてないデス‥」

「どうもしてないならそんな顔しないの」

「スイマセン姫サマ‥」

「で? 何考えてたの?」

「‥ぃぇ、ですから何も‥」

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