《MUMEI》
葛西先輩に依頼
「そういえば、雅樹に写真集撮ってほしいって依頼来てるよ」


葉月さんがそう言ったのは、賑やかな食事が終わり


片付けも済んだ頃だった。


「じゃあ、三人で夜景を見に行きましょう」

「「え?」」


どうやら美緒さんが言った三人とは


俺と祐と美緒さんの事らしい。


「でも…」


そう言って、祐は葛西先輩を見た。


「あのね、祐君。葉月が私以外を名前呼び捨てする時は、真剣に、仕事の話をする時だって

私、何度も言ったわよね?」


(何度もって事は、来る度にこんな感じなのかな?)


俺は、以前祐が葛西先輩の仕事をかなり気にしていた事を思い出していた。


「は…い」

「じゃあ、邪魔しないの。いい子にして、私に付き合ってくれたら、私から説明してあげるから」

「本当ですか?」

「本当」

「じゃあ、行きます」


こうして、祐と俺は、美緒さんの車で夜景スポットに向かった。


夜景は確かに綺麗だったが


祐は、明らかにイライラしていた。


「もうそろそろ教えて下さい」

「じゃあ、駅前行きましょう」


美緒さんは至ってマイペースだった。

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