《MUMEI》

スタメンが下がり始める赤高。


沖、


関谷、


椎名の3人がベンチに戻っていた。


「…椎名。」


「え?」


「お前さっきのアレいつからできるようになった?」


「…アレってなんすか?」


「とぼけんなよ。
前まであんなシュート打たなかっただろ。」


「あ〜、
昼休みとかに練習しました…」


「ふ〜ん…」


「何でですか?」


「アレは低めにも打てるわけ?」


「や…
アレはまだ未完成でして…」


「…完成にはどれくらいかかんの?」


「や〜、
もうちょっと時間がかかるかと…」


「…じゃ仕上げて。」


「え?」


「もっかい出てきていいから仕上げて来てよ。」


「んな無茶な…!!」


「残り13分で15点差。
多少のわがままなら許されるよ。」


「…何本打てるかわかりませんよ?」


「ディフェンスがいた方が練習になるでしょ。


ホラ。


今丁度練習台もいるし。


あ!!


低めに集めろよ。」


「…はいはい。


じゃ、


行ってきますよ?」


「行ってらっしゃい。」

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