《MUMEI》

「スタートは一緒。


でも今回は相手も一筋縄じゃいかないだろうからね。


始めの内に上手く連取できたら、


あとは時間いっぱい使って攻めよう。


攻撃の展開としてはアウトを攻めてイン。


基本だけどそれで行こう。


ここまでの試合は速攻とロングが中心だったからね。


それで十分裏をかけると思うよ。


だからってロングを打つなって訳じゃないから。


その辺のバランスは椎名がとって。


んで椎名。」


「はい?」


「さっきのシュート。


あれは多様しなくてい〜や。


お前にはまだ早い。


低めを狙う必要もない。


あれは後で僕と改良を重ねよう。」


「…はい。」


「両45は隙あらば打つ!!


両サイドは絶対に走り負けない!!


当たり前に感じがちだけど、


決して当たり前じゃない。


…勝とう。」


「はい!!」


「じゃあ円陣組もう。」


市内リーグ第五試合。


決勝進出をかけた北農高校との試合が、









「しゃあ行くぞぃ!!」
「おぅ!!」









「ビー!!」









始まった。

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