《MUMEI》
朝一
｢私達付き合っちゃおうか。｣
水瀬、水瀬。
そんな言葉投げかけないでくれよ。
本気にするだろう。
水瀬、顔近い、
目を閉じた。
ほぼ同時だったはずだ。
心音がひどい。
唇の感覚よりそっちばかり気にしてしまう。
目覚めたら部屋にいた。
――――夢？つか、
｢………重っ！
人の布団使うな！｣
｢光彦今日から仕事で留守だし。俺、鍵忘れて家入れないんだもん。｣
光彦は七生の父だ。
生まれてすぐに母親が他界した。
七生父は鳶職をしています、一応ね。
｢マジでか……｣
朝から幸福と最悪が同時に降りてきた。
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