《MUMEI》

千秋は、


エース45がパスを出したその瞬間に…


エース45を押さえていた手を離し、


左サイドへのディフェンスに対応していた。


シュートを打てない左サイド。


しかし、


隣には誰もいない。


何故なら、


勢いよく1対1を仕掛けたエース45はまだ定位置に戻れていないからだ。


(くそこいつ…!!)


必死に戻ろうとするエース45は、


沖と峰田に挟まれ、


中々戻れない。


(邪魔すんのは十八番だぜ?)


得意気な顔をする沖。


とにかくパスを出さなければならない左サイドは、


ドリブルを使い少し上の位置へ上がる。


センターへのパスだ。


しかし、


(慢ったな。)


少し上に上がったとはいえまだ距離がある。


これを椎名は見逃さない。


カットに走る椎名。










(あっ…ぶ…)










左サイドはギリギリのところでカットに気付き、


瞬時にパスターゲットを右45に変える。


「バカ焦んなッ!!」


「え!?」










上に上がった左サイドの位置からセンターへパス。


これには若干の距離があった。


それならば当然。


右45への距離はさらに遠い。










バシッ!!










ユキヒロがボールをカットする。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫