《MUMEI》

謎の女「うふ…。そんな事できっこないわよ。」



女はバイキンマンの威しをものともせず、余裕の表情で笑った。



そして傍らのバッグから、小さな黒いチップを取り出すと、それをバイキンマンが投げた新聞の上に置いた。



バイ菌「…………。」



バイキンマンは、目を凝らしてその黒い断片を見つめる…。



それは、爪の先ほどの大きさのメモリーカードだった。



謎の女「中身は音声データよ…。」



女は顎で指図しながら、それを再生するよう促した。



バイキンマンは吸いかけの煙草を灰皿に置いて、チップを拾いあげる…。



そして女をギロリと一蔑すると、それをパソコンのUSBポートに繋いだメモリーソケットに挿入した…。

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