《MUMEI》 ──まだ午前中なのに、かなり日差しが強い。 天気、良過ぎる位だ。 「暑くないか‥?」 「ちょっとね」 日傘か何か用意しておくべきだったな‥。 「別に、帽子被ってるから平気だけどね」 「そう‥か?」 「ていうか、日向何で帽子被らないの?」 「俺は──平気だから」 「ふぅん?」 とだけ呟いて、那加が駆け出す。 白いワンピースの裾が、ひらひらと風に靡いている。 「──日向ぁ? 突っ立ってないで早く来なさいよ〜」 前へ |次へ |
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