《MUMEI》

「はッ‥!?」


素頓狂な声。


「何でいきなり名前の方で‥」


「何となく──」


「何となくで気安く下の名前呼ぶんじゃねぇ」


「〜〜〜‥」


駄目かなぁ‥。


「つーか、何でアイツの事下の名前で呼んでんだよ」


「えっと‥どっちも海原だし──」


「ぁ〜もぉ好きにしろ、好きに」


「いいんですかっ?」


「‥ぁぁ」


「ありがとうございますっ、渚先輩♪」


「‥‥‥」


「渚先輩?」


「──ほら来いっ」


「わぁ!?」


だから首根っこ掴んで引っ張るのやめて下さいってばぁ‥。

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