《MUMEI》

呼ばれて、ハッとした。





向こうに立っている那加に、釘付けになる。





──眩しい。





どうしてこんなに眩しいんだろう。





「もぉっ‥」





遠くで、そう呟く声が聞こえたかと思ったら。





近付いて来た、足音。





「──何ボーッとしてるの?」

「ぃゃ、何か‥ま‥眩し‥」

「‥‥‥?」





首を傾げる那加。





「‥日射病‥?」

「いやっ、違う‥違いマス‥ご心配なく」

「さっき眩しいとか言わなかった?」

「その‥‥‥那加が──」

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