《MUMEI》

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−−−私立 高松塚大学付属女子高校。



それが、わたしの転校先の正式名称だった。



元々は女子校で、近年、共学化されたらしいが、様々な理由から、付属の男子高校はわたしが入る女子高校とは、別棟にあるとのことで、現在でも、ここは完全な『女子校気質』であると、両親からまえ以って、話を聞いていた。


だから、この学校を、わたしの転校先に、選んだのだ、とも。





わたしのまえを歩く、先程の女の先生が肩越しに振り返った。


「ここは、他の学校と比べると、少し特殊だから戸惑うことも多いだろうけど、慣れたらどーってことないから、安心してね」


ホラ、『住めば都』ってよく言うでしょう?とクスクス笑う。

彼女の軽やかな笑い声を聞きながら、わたしは愛想笑いを浮かべた。

それから先生は、再びまえを見て、中塚さんならすぐに馴染めるわ、と根拠のない励ましを口にした。



長い廊下を進み、ある教室のまえで、わたし達は足を止めた。



−−−2年B組。



そう書かれたプレートが、教室のドアの上にかかっていた。


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