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《MUMEI》 . それから、わたしはフツーの子供に戻ったわけだけど、そのあとも、わたしの外見によって、数々のトラブルに巻き込まれた。 そして、あの『事件』が、起こったのだ………。 ◆◆◆◆◆◆ 「両親の、仕事の都合です」 わたしは精一杯、笑顔を作って小田桐さんに答えた。それはあらかじめ、両親と話し合い、考えておいた理由だった。 わたしの返事に対して、彼女は特に興味なさそうに、そうですか、と答えると、わたしから目を逸らした。 先生は頃合いを見計らって、みんなに言った。 「学校の案内とかは、任せます。中塚さんが、はやく馴染めるように、みんな協力してあげてね」 先生の台詞に、クラスメイト達は明るい返事をした。わたしは先生に促され、廊下側の一番後ろの空いている席に座った。 かばんを机の脇にかけていると、隣の席の女の子が、声をかけてきた。 「はじめまして。わたし、松下 巴。よろしくね」 巴は人懐っこい笑顔を浮かべる。 . 前へ |次へ |
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