《MUMEI》

「──何で‥帰んなかったんだ」


「?」


「何でわざわざ戻って来たんだ」


「──ぁ‥えっと──航君にですね‥」


「ぁあ‥?」


「ひっ‥」


「ち‥アイツかよ‥」


「で、でもっ、あたしも──」


「何だよ」


「あたしも、何ていうか‥先輩と一緒に帰りたいな〜なんて思ってたりしてたんで♪」


「‥‥‥マジ‥かよ」


「マジです」


「‥‥‥‥‥‥‥」


「渚先輩?」


「だったら何で昨日待ってなかったんだよ」


「ぇ‥それは──‥」


──何か‥初日だったし‥?

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