《MUMEI》

それから、ずっと俺は那加より背が高い。





1度も、追い抜かれていない。





「ひなたぁ」

「ぇっ‥」

「どうかしたの?」

「‥‥‥!?」





ぶつかる寸前まで顔を近付けてきた那加に‥俺は心臓が止まりそうな位ビックリした。





「何でそんなにビックリする訳‥?」

「ち‥‥‥近‥いんデスけど‥」

「そう?」

「そうデスって‥」

「ふぅーん」





悪戯っぽく言って、那加は離れた。





「ふふっ、日向って結構面白いよね──」

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