《MUMEI》 徹夜結局打ち合わせは朝まで続いた …ようだ。 俺は途中で休ませてもらった。 (まだやってんのか…) 朝起きると、葛西先輩と小暮さんの話し声が聞こえた。 ちなみに、俺は居間ではなく台所に布団を運んで寝ていた。 「おはようございます」 「「おはよう」」 二人は爽やかに挨拶してくれた。 ただし 小暮さんの膝の上には高遠光の頭があった。 「祐は?」 「田中君が寝た後に、俺が使ってる部屋に行って寝たよ」 「そうですか。それで、打ち合わせは終わったんですか?」 高遠光は売れっ子なので、今日もスケジュールが入っていると 半分寝ながら聞いた気がした。 「うん。大体決まったんだけど、後は予算と場所かな」 「やっぱり海外しかないか?」 「でもそれだと予算オーバーするし、そんなに日数使えないし…」 「でも国内で 『自然に囲まれてて、一般人が近付けないような広い空間がある飛び込み用プール付きの別荘』 なんて普通無いだろ?」 … 「ありますけど?」 「「え!!」」 俺の言葉に二人は身を乗り出し、小暮さんは高遠光の頭を床に落とした。 前へ |次へ |
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