《MUMEI》 . わたしは今日一日だけで、とても疲れてしまったので、明日でもいいよ、と断ったのだが、彼女は首を横に振った。 「こういうことは、はやい方がいいから」 と、いうのが、彼女の言い分だった。 わたしは断るのも面倒になり、仕方なしに彼女の申し出を受け入れたのだった。 ◆◆◆◆◆◆ 「…この先が特別教室棟で、学食はあっちね」 方向を指差しながら、丁寧に校舎の説明をする巴。 わたしはぐるりと周りを見回すと、彼女が言った学食と図書館らしき建物を確認することが出来た。 けれど、ひとつだけ、わからない建物がある。 その建物は、わたし達がいる校舎から、ずいぶん離れた場所にあった。 外観は、フツーの校舎のようだ。 わたしは巴に、ねぇ…と呼びかける。 「アレは、なに?」 謎の建物を指差して尋ねると、巴は視線を巡らせて、ああ…と素っ気ない声で唸った。 それから不機嫌そうに、答える。 「アレは、男子校」 ………男子校?? . 前へ |次へ |
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