《MUMEI》

「学校は?」


「ぼく、本当は行きたくないんだ。でも行かないと[せけん]の目が攻撃してくるから、行かなきゃだめなんだってゆってた。」

母親がそういう仕事をしているからと、捉えているのだろう。
しかし、それだけではない。

あゆまはネグレクトされている。男のところに居るのだ。
一ヶ月近く放置されているそれはもう、虐待に近い。

恐らく、普通の生活もままならないあゆまの存在は異質で、子供達にとっては差別の対象だ。


「……学校が全てとは言わないが行くことは大切だ。勉強は、しておいた方がいい。」


「ぼく、理科が好き。
鳥さんも、学校行った?楽しかった?」


「ああ。」

あゆまは安心したようで学校に向かって行った。

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