《MUMEI》

とにかく、メモに書いてあった通り──屋上に向かった。





那加──いるんだろうか。





恐る恐る‥扉を開ける。





「那加──」





いない‥?





「──30秒遅刻っ」

「‥!?」





那加っ‥?





「『2分以内に』って書いてなかった?」

「ハイ‥そうなんデスけど‥」





扉の前で立ち往生してしまって‥。





「3階からなら1分もかからないで来れるはずなんだけど?」

「‥‥‥姫サマ」


「?」

「──スイマセンでしたっ!!」

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