《MUMEI》
ギャップ
「だって、せっかくカトラス様と会えたんだから、若奥様風に、して、あげようと…」


笑いを必死で堪えながら、ハロウィンの普通の衣装に近い


魔導師風の衣装の志貴が説明した。


「志貴、まさか、イネスやりたかったから、髪伸ばしてたのか?」


志貴は地毛で、長髪だった。


「うん」


(じゃあ、夏休みの頃にはもう決めてたんだな)


いつも、その頃に髪を切る志貴が、今回はそのままだったから


少し、気になっていた。


(それにしても…)


「今回、皆男装なんだな」


俺は、残りの女性陣を見た。


「私と違って可愛いけどね」

「そんな事無いです!」


拓磨がおたまを振り回して反論したが


「ね? 祐也」

「…男には見えないな」


美青年に見える志貴とちがい、他の三人は完全に『男装した女の子』だった。


「ちなみに、希先輩がシモン王子なのはカトラスが柊だからわかるけど、後の二人は?」

「「好きなキャラだから」」

「あ、そう…」


(誰か止めろよ)


女性的な容姿のティータスをやるエイミーはともかく


一番小柄で、毛皮に着られている石川の白虎はどうかと思った。

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